橘家のその後総集編の見どころ

【レビュー】橘家のその後総集編 ― 禁断の家族愛が再び動き出す ―

“あの事件から、彼らは何を選んだのか──”

人気シリーズ『橘家のその先』の世界を受け継いだ、
二次創作作品『橘家のその後総集編』がついに登場。
母と娘、そして一人の少年──壊れてしまった家族の“その後”を描く、
重厚で背徳的な人間ドラマだ。

かつて世間を騒がせた“あのビデオ”の事件から数年。
関係者も捕まり、世間の記憶からもほとんど消え去った頃、
再び「橘家」の物語は動き始める。

母・京香、長女・結花、次女・小春。
そして、彼女たちと共に暮らす青年・ユウ。

平穏な日々を取り戻したかに見えた一家のもとに、
1本の電話が届く。
発信者は、あの事件の主犯格。
京香の過去を“脅し”に使い、再び橘家を支配しようと動き出す。

母を守ろうとする結花。
恐怖よりも好奇心を優先する小春。
そして、3人を守りたいと願うユウ。

しかし――
その“守る”という行為そのものが、
彼らの関係をさらに深く、歪なものへと導いていく。

過去の過ちを抱えながらも、母として家族を守ろうとする。
だが、愛情と依存の境界を越えてしまったことで、
彼女自身も逃れられない“宿命”に囚われていく。

強気でツンデレな性格。
母とユウの関係を知りながらも、
家族を守るために“自らの選択”をする姿は痛ましくも美しい。

奔放で無邪気。
性を恐れず、好奇心に忠実。
彼女の存在が、橘家の“日常”と“狂気”のバランスを崩していく。

本作最大の魅力は、血よりも濃い依存関係の描写。
愛してはいけない、でも離れられない──
そんな矛盾がキャラクターたちの行動のすべてを支配している。

・母・京香との絆を描く「リーダー×京香編」
・正義感と恋慕が交錯する「リーダー×結花編」
・奔放な小春の危うい魅力が爆発する「リーダー×小春編」
それぞれの関係性が丁寧に描かれ、
“愛と支配の違い”が少しずつ崩れていく過程を堪能できる。

全4章＋描き下ろしで、本編403枚＋おまけ約600枚超の大ボリューム。
総集編限定エピソードでは、“リーダー”と橘家3人のその後を新たに描き、
シリーズファンにとって見逃せない内容となっている。

『橘家のその後総集編』は、
“禁断の家族愛”という重いテーマをエロスの中に溶け込ませた秀作。
過去作を知らなくても物語を理解できるが、
シリーズを通して読むことで、登場人物の心の傷や選択の重みがより深く響く。

ただの背徳モノではなく、
“人は何をもって愛と呼ぶのか”を問いかける、
エモーショナルで切ない群像劇だ。

自己紹介
熟女・人妻ジャンルを10年以上追いかけているライター。
若い子にはない「大人の色気」や「背徳感」に強く惹かれ、数えきれないほどの同人誌を読み漁ってきました。
このサイトでは、**「本当に抜ける熟女同人だけを紹介する」**という視点でレビューを執筆しています。